オフィシャルインタビュー(後編)公開!

2021/01/06 (Wed)

オフィシャルインタビュー(後編)

「取材・文:蜂須賀ちなみ」



――ライブと同じく、このミニアルバムでも変に気張らず、バンド本来の持ち味を活かしながら、曲のクオリティを上げることに成功しているんじゃないかと思います。みなさんとしてはどんな手応えを感じていますか?


浜口:今まで通りラブソングばかり詰め込んでいるし、moon dropらしさが一番出てるアルバムかなと思ってます。だけど、今回初めてラブソングではない曲を書いたので、そういう意味では新しい面も出せたんじゃないかと。


――6曲目の「麦埼灯台」のことですよね。


浜口:はい。麦埼灯台というのは、小っちゃい頃、友達と一緒に泳いでいた海がある場所で。この曲は唯一、地元の友達を想って書いた曲なんです。僕はこれまでラブソングばかり書いてきましたけど、ラブソング以外書けないというわけではなく、恋愛によって自分の心が浮き沈みすることが多かったというだけなんですよ。


――つまり、恋愛以外で自分の心が大きく動けば、ラブソング以外の曲も書くと。


浜口:そうですね、この曲を書いたきっかけは、コロナがあって、なかなか人と会えなくなったこと。そうなったときに地元の友達がすごく恋しくなっちゃって、「これは曲したいかも」と思ったので、書くことにしました。


――他のお三方はいかがですか? 今回の作品を作り終えてみての感想は。


坂:新しいCDを作る度に「今までで一番いいものができた」と思ってるんですけど、今回も同じようにそう思えたのがよかったと思います。


清水:曲作りもすごく楽しかったしね。ギターはわりと挑戦したことが多くて。最初は「どうなるだろう?」と思っていたんですけど、1枚通して聞いてみたら、いいアルバムだなと。挑戦してよかったと改めて思えましたね。


原:僕も、今までやってこなかったようなフレーズを入れたりしました。琢聖さんと同じく、挑戦の一枚という感じですね。


――「挑戦」というワードに沿って、各楽器の聴きどころを紹介していただければと。


清水:ギターは「Seventeen film」のイントロのフレーズ。リードギターのイントロのフレーズというのは、曲の印象を色づけるもので、僕はその役割をいつも強く意識しています。この曲に関しては、口ずさめるフレーズを目指しながらも、飛雄也が弾いているコードに上手くはめるのに結構苦労しました。このフレーズは、ギターの師匠にあたる人から「イントロめっちゃいいな」と褒めてもらえて。めっちゃ嬉しかったので、みなさんにも聴いてもらいたいですね。


坂:ベースは「シーブリーズと君の匂い」かな。バラードでベースが動きまくると、歌を邪魔してしまうと思うんですけど、だからこそ「シーブリーズと君の匂い」のようなアップテンポの曲では、フレーズを練ろうじゃないかと。ウォーキングベースのところもありますし、Bメロの動きもめちゃめちゃ凝りました。だけど、コーラスのことを考えてなさ過ぎて、こないだスタジオ入ったときに初めて「これ弾きながらコーラスやるんか……」と気づいて。


――ライブで大変そうですね。


坂:はい、頑張らないといけないなと。この曲はベースだけではなく、コードや構成もカッコよくできたので、そこにも注目してほしいです。


原:僕は「僕といた方がいいんじゃない」のBメロを挙げたいです。


――ドラムのフレージングがボーカルのリズムに沿ったものになっていますね。


原:はい。ここでは、歌メロにリンクしたフレーズ作りをしました。さっき「歌を大事に」という話が出ましたけど、こういう工夫によって、曲がよりよく聴こえていたら嬉しいですね。


――原さんが挙げた「僕といた方がいいんじゃない」が今回のリード曲ですよね。


浜口:できた瞬間、「絶対リード曲だ!」と思いましたし、moon dropを代表する曲に今後なっていくんじゃないかと思っていますね。歌詞で一番気になるのは〈ブサイクになったね〉という言葉だと思うんですけど、前に付き合っていた人が新しい恋人と撮った写真・動画をSNSで見ちゃうことってあるじゃないですか。これは僕個人の感じ方なんですけど、その写真や動画のなかで見せる表情よりも、僕といたときの方が、圧倒的にかわいいと思っていて。


――それは願望じゃなくて?


浜口:そうですね。そうであってほしいという気持ちもあると思うんですけど……うん、多分、悔しいんだと思います(笑)。


――ははは。浜口さんの書くラブソングは、ハッピーではない曲も多いですが、歌詞はどういうモチベーションで書いているんですか?


浜口:僕にとっての曲とは、その時々の思い出や感情を閉じ込めておくもの。「誰かに伝えるため」というよりも、基本的には「自分が忘れないため」に書いています。「このときこういうことがあったな」と何年後かに思い出せたらいいなと。


――その理論で行くと、曲にしなければ忘れられたつらい思い出も、いつまでも保存されてしまうことになりますが。


浜口:はい、それでいいんです。忘れちゃうことが一番悲しいので。たとえつらい思い出だとしても、いつまでも残った方がいいと思うし、その曲が誰かにとっての大切な1曲になれるんだったら、もっと嬉しい。


清水:それに「嫌な思い出でも時間が経てば……」ってなるときもあるしね。


浜口:うん、そうそう。


――因みに、アルバムタイトルの由来は?


浜口:語感で決めたのであんまり深く考えていなかったんですけど、恋愛している人って、みんな悲劇のヒロインじゃないですか。自分が一番かわいいと思ってるというか。だから簡単に言うと、「恋愛している皆様へ」ということですね。


――あえてこういう聞き方をしますけど、人はどうしてラブソングを聴くんだと思いますか?


浜口:恋って、誰にでも起こり得ることだし、しかも避けられるものではないじゃないですか。どうしようもないから、聴くのかなって思いました。


――先日のライブでお客さんに対して「君たちの居場所はここだよ」と言っていたのも、きっとそれに近い想いからですよね。


浜口:はい。どうしようもないときの居場所にしてほしいという気持ちはめちゃくちゃあります。


――分かりました。最後に、今後叶えたい夢・達成したい目標があれば教えていただけますか。


浜口:結成当初からずっと言っているんですけど、映画かドラマの主題歌を作ってみたいです。ドラマだったら、できれば月9。主演は、山崎賢人さんか菅田将暉さん!


清水:僕は、高校生の頃からずっと「楽しいから」という理由でバンドをやっているので、それが仕事になっていけば、いい人生になるんじゃないかと。目標とは違うかもしれないですけど、そういう気持ちがあります。


原:僕はMステ(ミュージックステーション)に出たいです。


浜口:デケー(笑)。


坂:確かに、インディーズのバンドを知らない人たちにも聴いてもらえるような存在になりたいよね。そのためにこれから頑張っていくので、よろしくお願いします!



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