オフィシャルインタビュー(前編)公開!

2021/01/01 (Fri)

オフィシャルインタビュー(前編)

「取材・文:蜂須賀ちなみ」


――今回のジャケット、ちょっとした狂気を感じたんですけど。


一同:え……?(困惑)


浜口:写真がいっぱいあるからですか?


――そう。2、3枚だったらまだ分かるんですけど、十数枚ほど並んでいるじゃないですか。そこに執念じみた匂いを感じるというか。


清水:これは飛雄也が思いついたんだったよね?


浜口:そう。何となく一面埋め尽くしたいなって。いろいろな感情を唄ったラブソングが入っているアルバムなので、生活の一部を切り取ったものをいっぱい並べたら面白いんじゃないかと思ったんですよね。だけど、まさか狂気じみていると言われるとは……。


原:めっちゃいいなって思っていたんだけど。


清水:だよね。ということは、このバンドは全員狂気じみているのかもしれない(笑)。


――これはリスナーの方々がどう感じるのか気になりますね。レーベル移籍のタイミングなので、今日は改めてプロフィール面から伺えればと思います。まず、清水さんと浜口さんが対バンで一緒になったのが、結成のきっかけだったと。


清水:はい。そのときはお互いコピーバンドだったんですけど、僕が飛雄也の歌声に一聴き惚れして。そのあと飛雄也のバンドが解散するという話を聞いたので、僕の方から「一緒にバンドやらへん?」と誘いました。


――だけど浜口さんは、少しの間、その誘いを無視していたそうですね。


浜口:返事するの、普通に忘れてて(笑)。あと、誘われたのがちょうど弾き語りをやっていた時期で、「またバンドを始められたら」と思ってはいたものの、タイミングがなかなか掴めなかったというのもあります。


――結果的に浜口さんがバンドをやる決断をし、お二人が中心となってmoon dropを結成したのが2014年3月。出会った当時はお互いコピバンだったとのことですが、浜口さんはいつからオリジナル曲を書くようになったんですか?


浜口:いつ頃やったっけ……?


清水:確か初ライブが決まった時点では、飛雄也も「オリジナル曲やれたらやりたいけど、作れるか分からん」と言っていたんですよ。だからとりあえずコピーをやる体で進めていたんですけど、結局、飛雄也の作るペースが速すぎて。初ライブは全部オリジナル曲でした。


浜口:そうやった。当時から全曲ラブソングでしたね。


――普段どういう感じで曲を作っているんですか?


浜口:「よし、曲を作ろう!」と決めて取り掛かるというよりかは、普段生活しているなかで「あっ!」と思った瞬間に残しておくというか。


――ボイスメモアプリとかで?


浜口:そうです。歌詞だったら、メモ帳のアプリに書いておいて。そうやって断片を残しておいて、ある程度溜まったら繋ぎ合わせて1曲にする。だから、Aメロ、Bメロ、サビみたいなものは考えていないし、極端な話、2年前に作ったパーツと昨日作ったパーツが合わさってできる曲もあるんですよ。


――初めて作った曲って憶えてますか?


浜口:超ド直球なラブソングでした。多分、どこにも残ってないんですけど、こんな感じやったっけ……(唄い始める)。


清水:あ~! あった、あった!


坂:めっちゃいい曲! というか「麦埼灯台」を聴いたとき、「飛雄也が8分の6拍子で唄ってるの、初めて聴いたな」「こういう曲も作れるんだ」って思ったんだけど、え、あったんだ!


浜口:あ、ホンマや(笑)。


――いいですね、メンバーすら知らないアウトプットが出てくる感じがワクワクする。で、活動の話に戻すと、坂さんが加入したのが2018年5月です。


坂:はい。初めて対バンをしたときは、正直それほど印象に残っていなかったんですよ。物販にはフライヤーしかないし、MCもそれほど上手くなくて、「moon dropです」って100回ぐらい言ってるし……。


――当時のmoon dropは硬派だったんですか。


清水:いや、右も左も分からなかっただけです(笑)。


浜口:県外でライブをやり始めたぐらいの時期で、「ライブ以外どうしたらいいのか分からん」という状態だったので。


――なるほど(笑)。坂さんはどんな人なのか、このインタビューを読んでいる人に向けて紹介していただけますか。


清水:めちゃくちゃストイック。制作のときは一番前に立ってみんなを仕切ってくれます。


――現状、作詞が浜口さん、作曲が浜口さんと坂さんの共同名義になっていますよね。


浜口:僕が思うに、僕と知哉は真逆なんですよ。知哉は「これじゃない」「これでもない」「あ、これや!」という感じでめちゃくちゃ考えてちゃんと作るタイプ。だけど僕は、最初に出たものを採用しがちなタイプ。曲の構成とかも「僕やったらそうはしないな」という感じのことを知哉が考えてくれるので、幅がめちゃくちゃ広がりましたね。


――坂さんが理論派で、浜口さんが感覚派。


浜口:まさにそうです。その両方が合わさっていい曲ができます!


――そして、2019年2月には原さんが加入しました。


浜口:一樹は真面目ですね。


坂:ライブが終わったあとも、リハが終わったあとも、すぐに「今日どうでしたか?」って聞いてくる。練習熱心です。それに最近、機材オタクになりつつある(笑)。


清水:打ち上げで先輩にそそのかされて……。


坂:そうそう(笑)。スマホでサウンドハウスのホームページを見ながら、よくこういうふうにやってます(※画面をピンチアップし、熱心に見るしぐさ)。


――因みに、浜口さんや清水さんはどんな人ですか。


清水:飛雄也は時間にめちゃくちゃルーズ。6年間一緒にバンドをやってますけど、今まで待たされた時間を足したら、多分2週間ぐらいあると思います(笑)。だけどムカつくことはなくて、どちらかというと、「すごいなあ」「こんなにルーズな人おるんや」という感じです。


坂:「飛雄也だし、いっか」と思わせられるんですよ。


清水:だから愛されキャラなんでしょうね。


原:うん。嫌いな人、おらん気がする。


清水:普段は基本的に何を考えているか分からないんですけど(笑)、ライブのMCで「そんなこと考えてたんや」ってハッとさせられることも多いです。そういうところは特にボーカリストっぽいかなと思います。


浜口:で、琢聖はしっかり者ですね。


原:みんなのまとめ役。


――ギタリストとしてはどうですか。


浜口:「自分が」というよりは「バンドをよくしよう」と考えて弾いているギタリストというイメージです。もしも僕がリードギターだったら、もっと自分を出したくなっちゃうと思うんですよ。だけど琢聖は、バンドのことや僕の歌のことを考えたうえで、寄り添うようなギターを弾いてくれます。


清水:曲作りの前提として、飛雄也の歌を一番前に持って行きたいという気持ちがあるんですよね。だから、飛雄也の歌を邪魔するくらいだったら、自分がギターを弾かない方を選びます。


――「歌を大事に」という姿勢は先日拝見したライブからも伝わってきました。対バンをする機会の多いMaki然り、TRUST RECORDSの他の所属バンド然り、moon dropの周辺には熱量をダイレクトにぶつけるようなライブをするバンドが多いですよね。だけど、そこに寄せて無理にオラつくこともなく、ナチュラルに、歌を届けることに集中するライブができていると感じました。


清水:ありがとうございます。メロディックバンドと対バンをすることが多かったこともあり、元々僕らも、オラついたライブをしてたんですよ。飛雄也も叫びまくってたし。


坂:ダイブとかしてたもんな(笑)。


――だけどそういう曲調でもないし。


坂:そうなんですよね。


清水:もちろん激しいライブも好きですし、そういうライブをやれるバンドに対する憧れもあります。だけど、お客さんにはやっぱり飛雄也の歌声を聴いてほしいし、自分たちのスタイルはこうじゃないな、と。


浜口:ボーカルに関しては、外出自粛期間中に上手く変われた、前進できたのが大きかったです。元々僕は、すごく太い声で唄うでもなく、すごく高い声で唄うでもなく、「ちょうど真ん中ぐらいの声で無理せず唄いきれたら最高」と思っていたんですよ。だけど「喉からバンッと出す」以外の唄い方を知らなかったし、月10本以上ライブをやるような生活を送っていたから、そういう唄い方が癖になってしまっていた。


――ライブ活動を強制的にストップせざるを得ない状況になったことで、自分の唄い方を見直す時間ができたと。


浜口:自粛期間中、ボイトレの先生とオンラインで話をする機会が増えたんですよ。そこで「せっかくの機会だし、自分のスタイルを見つめ直してみよう」ということになったんですけど、そのやり方が今の自分に上手くハマっていて。ライブの予定をバンバン入れていたとしたら、これまでの唄い方でずっとやってきたんだろうなと思うので、このタイミングで変えられてよかったです。それもあって、最近、ライブがめっちゃ楽しい。「オラァ!」ってやらなければライブで完全燃焼できないと思っていたんですけど、これまでとは違うところで満足できていて。唄うのがめっちゃ楽しいなって思ってます。


〜後編に続く〜

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